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総括統合セッションの開催

 サミットの2日目の午後、3つの統合セッションの開催を終えた後には、総括統合セッション「水を通じてより良いポストコロナ世界を導くー熊本から世界へ、未来へ-」を開催した。 本総括セッションでは、熊本宣言の採択の際に、参加首脳から問われた質問に対して、「ガバナンス」、「ファイナンス」、「科学技術」の観点から明確な回答を導くために、各統合セッション共催機関の代表者が、議論の成果と提言を発信した。 続いて、三つの統合セッションからのメッセージを統合し、持続可能で包摂的、強靭な質の高い社会を構築するために必要なことに関する議論が行われた。さらに、アジア・太平洋水サミット前後に開催されるボン会議、第9回世界水フォーラム、2022ドゥシャンベプロセスにおける議論と成果と協調しながら、2023年「国連水の行動10年中間レビュー会議(以下、2023年中間レビュー会議)」に持ち込んでいくために、どう協働するか、水に関する国際合意の達成、質の高い社会の実現に向け、あらゆる関係者による行動をどう加速することができるかについて議論した。

 総括統合セッションの開会挨拶で、総括統合セッションの共同議長を務めた上川陽子衆議院議員・水制度改革議員連盟会長は、熊本宣言で言及された「質の高い成長」を実現させていくことを要求した。また、リープフロッグ、グリーンインフラ、水循環のバロメーターとしての氷河のモニタリング、そして包括的な水リスク管理の重要性を強調した。

 タジキスタンのエネルギー・水資源大臣であるDaler Juma氏は、中央アジアの水の利用可能性が2040年までに臨界点に達することを言及し、課題解決に向けた同国の取り組みについて説明した。また、ドゥシャンベで開催予定の第2回国連水行動の10年ハイレベル会合に参加し、実践的な行動を取るよう呼びかけた。

 インドネシアのバスキ公共事業・国民住宅大臣は、河川流域管理のためのe-ラーニング、水源から利用者の蛇口までの水の流れに対する投資スキーム、沼地や貯水池の修復などの行動を強調した。

 ドイツの環境・自然保護・原子力安全・消費者保護省次官のクリスティアン・ローレダー氏は、水に関するSDGsの進捗を達成するためのパラダイムシフトを求め、セクター横断的、地域横断的な行動の推進がカギを握ると述べた。

 ピーター・トムソン国連事務総長特使(海洋担当)は、水源から海までの水循環管理を実現するため、「水と食料を守る」ことを要求した。また、流域全体をとらえた資金調達を奨励した。

 すべての人のための衛生と水(Sanitation and Water for All)の最高責任者であるカタリーナ・デ・アルブケルケ氏は、水・衛生・衛生環境(WASH)のコミットメントの完全実施に必要な「協力、一貫性、勇気」を提供するハイレベルな政治的リーダーシップを求めた。また、効果的な行動を展開していくための地域横断的な学習を呼びかけた

 オランダ国際水問題特使のヘンク・オヴィンク氏と、アラル海救済国際基金執行委員会のスルトン・ラヒムゾダ議長は、2023年3月の国連水会議に向けた準備状況を紹介し、この会議は、「根本的に包括的で」「セクター横断的で」「行動指向的な」会合となる、と強調した。

 各分科会や統合セッションからの提言を含む本総括セッションの提言は、第4回APWS議長サマリーの基盤となった。

 

総括統合セッション共催機関

[国内機関] 水と災害ハイレベルパネル(HELP)事務局
[国際機関] ESCAP、国際アラル海救済基金執行委員会(EC-IFAS)

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